赤ちゃんの月齢別睡眠サイクル ― 寝ないのはなぜ?成長に合わせた特徴と対策
ママ・パパにとって、赤ちゃんがなかなか寝てくれないという悩みは、とても身近で深刻な問題です。夜中に何度も起きて泣き続ける赤ちゃんを前に、「どうして寝ないの?」「何か問題があるのかな?」と不安になることもあるでしょう。
しかし、赤ちゃんが寝ないのには、ちゃんとした理由があります。そして、その多くは赤ちゃんの自然な成長過程の一部であり、時間とともに改善されるものです。今回は、月齢別に変化する赤ちゃんの睡眠サイクルの特徴と、おうちでできる対策について詳しくご説明します。
赤ちゃんの睡眠の特徴を理解しよう
赤ちゃんの睡眠は大人とは大きく異なります。1日の大半(14〜18時間程度)を眠って過ごしますが、一度に長く眠ることはできず、2〜4時間おきに目を覚まし、そのたびに授乳やおむつ交換が必要になります。
これは胃が小さく消化が早いことや、眠りの半分ほどを占める浅い眠り(レム睡眠)が脳の発達に必要だからです。そのため、ちょっとした物音や不快感で目を覚ますのも自然なことです。
さらに、生まれて間もない赤ちゃんは体内時計が未発達で、昼夜の区別がつきません。生後3〜4か月頃から少しずつリズムが整い、夜にまとまって眠れるようになっていきます。
このように「よく眠るけれど短い」「浅い眠りが多い」「昼夜の区別がまだない」という特徴を理解しておくと、不安がやわらぎ、安心して赤ちゃんと向き合うことができるでしょう。
月齢別の睡眠サイクル
新生児期(0〜1ヶ月)
・1日16〜20時間眠る
・2〜3時間おきに起きる
・昼夜の区別はまだない
この時期は「寝て起きて飲んで出す」の繰り返しで、赤ちゃんの欲求に応えることが最も大切です。昼夜逆転もよくありますが心配はいりません。

この時期の眠りについてご説明しています。 新生児を迎えたばかりのママ・パパにとって、赤ちゃんがなかなか寝てくれないという悩みは、とても身近で深刻な問題です。夜中に何度も起きて泣き続ける赤ちゃんを前に…
生後2〜3ヶ月
- 1日の睡眠時間は14〜17時間程度
- 夜に3〜4時間まとめて眠ることが増える
- 昼夜の違いが少しずつ出てくる
昼間は自然光の入る明るい場所で過ごし、夜は暗めの環境にすることで、昼夜の区別がつきやすくなります。
生後4〜5ヶ月
- 夜に5〜6時間連続で眠ることが増える
- 昼寝は3〜4回程度
- モロー反射が落ち着き、眠りが安定してくる
この時期は、寝る前のルーティンを取り入れるとより眠りやすくなります。
例えば「お風呂→授乳→寝かしつけ」の流れを毎日同じようにすることで、赤ちゃんも安心して眠りにつきやすくなります。
ただし、この時期は「初めての睡眠退行」が見られることがあります。
今まで比較的よく眠れていた赤ちゃんが、急に夜中に何度も起きるようになることがあるのです。
これは脳や神経が発達して睡眠サイクルが大人に近づいていく過程で自然に起こる現象です。
生後6〜8ヶ月
- 夜に6〜8時間続けて眠れるようになる
- 昼寝は2〜3回程度
- 離乳食が始まり、授乳の間隔も広がる
この時期には夜泣きが始まることもあります。生後8か月前後には再び睡眠退行が起こることもあります。ハイハイやつかまり立ちなど新しい動きを習得することで、脳が活発に働き、夜中に目を覚ましやすくなるのです。
生後9〜11ヶ月
- 夜に8〜10時間眠るようになる
- 昼寝は午前と午後の2回に安定
- 活動量が増え、昼間の刺激が睡眠に影響する
寝る前は静かで落ち着いた環境に整えることが大切です。
1歳前後(12ヶ月〜)
- 夜に10〜12時間眠ることが多い
- 昼寝は1〜2回に移行
- 睡眠サイクルが大人に近づいてくる
発達の節目や生活の変化で再び睡眠が乱れることもあります。1歳前後では歩行が始まったり、言葉が増えたりする影響で眠りが浅くなり、夜泣きが強まることもあります。これは「1歳前後の睡眠退行」としてよく知られています。
月齢ごとの睡眠の悩みと対策
0〜3ヶ月:昼夜逆転
→ 昼は光を浴び、夜は暗く静かにすることで少しずつリズムを整えていきましょう。
4〜6ヶ月:夜泣きや寝ぐずり
→ 寝る前のルーティンを整えて安心感を与えることが効果的です。
7〜12ヶ月:後追いや分離不安
→ 添い寝や声かけをして、安心できるように工夫しましょう。
睡眠リズムを整えるためにできること
- 起床時間をそろえる
- 昼寝と夜の就寝時間のバランスを意識する
- 照明や音の環境を工夫する
- 就寝前は刺激を避け、落ち着いた時間を過ごす
ママ・パパも自分を大切に
赤ちゃんの睡眠に振り回されて、ママやパパが疲れ切ってしまうことも少なくありません。
- 赤ちゃんが眠っている間に一緒に休む
- 家事は後回しにして休養を優先する
- 家族や産後ケアサービスを頼る
- 「完璧な育児」を求めすぎない
赤ちゃんにとって一番大切なのは、ママやパパが元気でいることです。
まとめ
赤ちゃんの睡眠サイクルは月齢ごとに大きく変化していきます。夜にまとまって眠るようになるのは成長の過程であり、今の「寝ない」は決して特別なことではありません。
それぞれの月齢に合わせた特徴を理解し、おうちでできる対策を少しずつ取り入れることで、赤ちゃんもママ・パパも安心して過ごすことができます。
今は大変な時期に感じても、必ず「ぐっすり眠る夜」が訪れます。焦らず、サポートを受けながら、赤ちゃんの成長を楽しんでください。